脳神経

高次脳機能障害(失語・失行・失認)

高次脳機能障害 大脳半球の働きには左右差があり、右半球と左半球で司る役割が異なる。言語機能を司る方を優位半球と呼び、空間認知機能を司る方を劣位半球と呼ぶ。 一般的に左半球が優位半球(右半球が劣位半球)であることが多く、医師国家試験問題におい...
脳神経

脱髄性疾患総論

神経系を構成する細胞について 神経細胞(ニューロン)の構造と跳躍伝導と脱髄 神経細胞(ニューロン)は細胞体(cell body=soma)と神経線維(nerve fiber)から構成される。 神経線維には髄鞘を持つ有髄神経線維と髄鞘を持たな...
皮膚科

天疱瘡と類天疱瘡について

天疱瘡群と類天疱瘡群 上皮の接着機構が自己抗体(IgG)によって阻害されることで水疱などが生じる自己免疫疾患である。 上皮が剥がれた場所に水が溜まるようなイメージで水疱が形成される。 治療はステロイド内服(ステロイド全身投与)が主体となる。...
内分泌

内臓脂肪とメタボリックシンドローム

内臓脂肪 内臓脂肪としては腸間膜脂肪と呼ばれる胃や腸の周辺にあるものが代表的である。 通常時は中性脂肪を合成してエネルギーを蓄えているが、エネルギー不足の状態では門脈を通じて遊離脂肪酸などの形でエネルギーを送る役割を果たす。 このように内臓...
内分泌

脂質代謝について

リポタンパク質 リポタンパク質の構成 中性脂肪(トリグリセリド)やコレステロールといった疎水性の脂質はそのままの状態では血中を移動することができない。 このため、親水性のアポタンパク質やリン脂質と結合してリポタンパク質と呼ばれる親水性の複合...
基礎医学

筋収縮のメカニズム(骨格筋・心筋・平滑筋)

骨格筋の筋収縮メカニズム ①中枢からの骨格筋収縮の指令は活動電位により電気的信号として運動神経線維を伝わってきて運動神経終末までやってくる。運動神経線維は自律神経のように中枢から支配器の間で神経節でニューロン交代(乗り換え)をすることがない...
小児科

Prader-Willi症候群とエピジェネティクスの関係を理解する

Prader-Willi症候群 Prader-Willi症候群とは、父親由来の15番染色体長腕に微細欠失が起こった結果生じる隣接遺伝子症候群(微小欠失症候群)である。隣接遺伝子症候群とは染色体に微細な欠失が起こった結果、隣接した複数の遺伝子...
消化器内科・外科

鼠径部付近のヘルニア(鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・閉鎖孔ヘルニア)を3次元的に理解する

まずは腹部のヘルニアを大まかに把握する ヘルニアとは体内の臓器が本来あるべき位置から脱出した状態を指す。 外ヘルニア:体腔内臓器が異常に生じた裂隙を通じて体腔外に脱出してしまった状態を指す。体腔外で起こるので基本的には体表から確認できる。鼠...
呼吸器

血栓形成の3要因(Virchowの3徴)と絡めて下肢静脈うっ滞性疾患(深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症・下肢静脈瘤など)をまとめて理解する

静脈血栓塞栓症 肺血栓塞栓症の原因となる血栓は殆どが深部静脈血栓症から生じたものであるため、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症を一つの連続した病態として捉えて静脈血栓塞栓症(Venous ThromboEmbolism:VTE)と総称する。 静脈...
呼吸器

肺高血圧症を映画「余命10年」と絡めて理解する

肺高血圧症 肺高血圧症とは「平均肺動脈圧(mean PAP:mPAP)25mmHg以上」と定義される。 肺高血圧症は「平均肺動脈圧が上昇する原因」によって分類され、様々な疾患が肺高血圧症を引き起こし得る。ここでは肺動脈性肺高血圧症と慢性血栓...